2007年9月3日月曜日

進化ゲームを用いたキャシングアルゴリズム

進化ゲーム理論をもちいて、利己的なノードの局所的なやりとりがシステム全体としてのダイナミクスに与える影響について検証する。/進化ゲーム理論は、生物社会において様々な個体が相互に影響を与え合う環境の下、生物の進化の過程で最適な行動が受け継がれるという考え方を、ゲーム理論を用いて説明しようと試みたものである。生物に遺伝的にプログラムされた行動をゲーム論意おける個体の取る戦略、また、ある行動をとる生物の子孫の数をそれぞれの戦略がもたらす利得とみなすことにより、生物はゲーム理論における戦略的な相互依存関係にあるといえる。

レプリケータダイナミクスは、社会を構成する個体数が多く、かつ個体間の繋がりを表すネットワークが平均場としてみなせる場合に、社会の平均よりも多くの利得を残すことのできる戦略が増えて行く現象を数式としてモデル化したもの

エージェントベースダイナミクスは、優れた戦略が隣接する個体を通してネットワーク内に広まるという現象をモデル化したものである。エージェントベースダイナミクスでは、ある個体は、隣接する個体とゲームを行い、その対戦結果から戦略の優劣を判断し、次に自分尾とる戦略を決定する。

レプリケータダイナミクスでは、ある戦略をとるノードの増加数はその戦略を取ることで得られる利得に比例する。したがって、システム全体の平均利得よりも多くの利得をもたらす戦略を選ぶノード数はシステム内で増加し、そうれなければ減少する。

2007年9月1日土曜日

Replicator Dynamics

「エージェントが設定されたゲームのルールの枠内で自由に活動・学習している状況下で、結果的に求められた社会的な厚生基準となるマクロな制約充足条件が満たされるようにゲームのルールをデザインしたい。そこではエージェントが自由に活動するのみならば、学習してその戦略を変化させることが本質的に重要になる。主流派経済学は価格を調整パラメータとして、需給の調整を完全情報に基づいて行う合理的エージェントを基本としてモデル化されており、学習を含む情報処理プロセスを陽には扱えない」
「エージェント集団の制度デザインの方法として、エージェントの自律性と学習を前提として、その活動の境界条件を変化させることでエージェント集団のマクロ的特性を変化させるという間接制御概念」
「レプリケータダイナミクスには、利得依存複製仮定と個体間の相互作用のランダムマッチング仮定がある。」
「個々のエージェントは、マクロデータを知ることで確率過程的な意味での学習を進めて行くと見なすことができる」
(出口弘「社会科学におけるエージェントベースアプローチーーその現状と課題)