2008年12月31日水曜日

Hellboy2, Love Actually

Hellboy2はアメコミ原作の、B級映画。なかだるみがあるものの、B級と割り切れば、それなりに楽しめる。 Love Actuallyはヒューグラントが主演ということでみる。かなり古い(古くもない?)作品だけど、キャストがすごい。脚本もうまくまとめ、読後感さわやあなラブロマンスというところでしょうか。しかし、イギリス英語はきつい。ほとんとわからん。

2008年12月30日火曜日

X-MEN, Fantastic Four,The Day the Earth Stood Still

今日も、ビデオ三昧。X-MEN:THE LAST STANDSとFantastic Four:Silver Surfer、The Day the Earth Stood Still(地球が静止した日を)をみる。前の2つはアメコミ原作の娯楽SF作品。CGが使えるようになってからというものアメコミの実写化が多い。どっちも面白いけど、娯楽作品としてはX-Menの方が迫力あって、最後まであきさせない。The Dayは後半は予想どおりということでちょっと…。ウィルスミスの子供が腹の立つ役回り。映画館でみたら大迫力かな。宇宙からのロボットのデザインは日本のアニメのパクリぽい。ビデオをノートPCでみながらネットでMacBook Airにみとれる。新製品が出て型落ちするのを待って買うか。しかし、Paris行きは7月だし、それまで新製品が出るか? それにしてもアップル製品も定価が定価でなくなっているのは驚き。むかしはそんなことはなかったのに…

2008年12月27日土曜日

WAR OF THE WORLDS

暇にまかせて今頃 War of the Worlds(宇宙戦争)をみる。娯楽作品としてはなかなか。後半だれるものの、それまでは息もつかせない展開はさすが。それにしても小さな画面で見るからよいものの、血のシーンは大画面だったらちょっと耐えられないなあ。

2008年12月26日金曜日

FactoMineR

Multiple Factor Analysis. 主成分分析(PCA)の拡張? 連続データとカテゴリデータの混在、また変数のグループを超えて分析可能(グローバルPCA). 行列計算しないと…と思っていたら、RのパッケージFactoMineRとして提供されていたので、さっそく、組み込み。Rコマンダーの環境で利用可能。らくちん、らくちん。第1成分と第2成分の軸を持つ、個体(横ケース)の分布図と変数の図を描いてくれる。もちろん、主成分得点等も自動的に計算。

2008年12月14日日曜日

『論争 若者論』

文春編集部編『論争 若者論』。「論座」や「文芸春秋」に掲載された論文を集めたもの。赤木智弘「『丸山真男』をひっぱたきたい」を読みたくて購入。他のエッセイの多くは、この手の本にありがちな個人的経験にもとづいた「思い込み」をベースにした空中戦。雨宮たちの内容がいちばん地に足の着いたエッセイか。

2008年12月11日木曜日

失墜するアメリカ経済

ロバート・ポーリン著『失墜するアメリカ経済:ネオリベラル政策とその代替策』を読み終える。期待以上に面白い本でした。とくに金融主導のアメリカ経済の分析は、2001年に書かれたとは思えない程、今の状況を見事に予測。今となってはすっかり色あせてしまったグリーンスパン神話の空虚さを見事に描いた筆致は読み応え十分。

「金融市場の指標 Economagic Web site: Flow-of -Funds Accounts」(46ページ)
「負債主導型投資ブーム…「資産効果」は、家計の純資産ー株式、債券、不動産やその他資産から負債を差し引いた額が…増加するために、年収のより大きな部分をためらいなく消費することを意味する。ディーンマキとマイケルパランボ…」(75ページ)
「図3−2 資産効果と消費の結びつき」(76ページ)

2008年12月8日月曜日

Fuzzy: QCA in Stata

fsQCAのStataパッケージが開発され、配布されていました。これでMac上で分析ができ、Windowsを利用しなくても済むのは助かります。開発者およびStataに感謝! 当然、「findit fuzzy」で検索可能。Longest,Vaiseyによって開発されたもの。解説がStata Journalに掲載。Fuzzy: A Program for Performing Qualitative Comparative Analyses(QCA) in Stata

2008年12月7日日曜日

Under the Tuscan Sun, Hulk, etc.

ノートをつくりながら、映画三昧。今日はUnder the Tuscan Sun。主演は見たことがあるのに誰か思い出せず、ネットで調べたらダインレイインでした。病院もののTV Showの韓国系の女性が友人役ででている。昨日は採点しながら、Ghost rider、その前の日はHulk。Hulkの主役がエドワード・ノートンだとは知りませんでした。知っていたらもっと早くに見てたのに。

2008年11月26日水曜日

『日本の財政』

湯本雅士『日本の財政 何が問題か』を読む。それほど面白いものでもない。基本的なことが整理されているということか。
第1章 日本の財政はどのような構造になっているか
第2章 現行租税制度の問題点
第3章 国債の増発は何をもたらすのか
第4章 財政支出の問題点
第5章 財政構造の改革を目指して
第6章 真の地方自治達成のために


『債務管理リポート』は面白そう。「プライマリーバランスとは、歳入総額から公債金収入を差し引き、これを歳出総額から公債費(公債の元利払)を差し引いたものと比較したものを指す。プライマリーバランスが均衡している、もしくはプラスになっているということは、公債金収入を過去に発行された公債の元利払い以外の歳出には用いていないということ、…マイナスになるということは、公債費を賄う以上に公債を発行しているということを意味する」(166)

2008年11月17日月曜日

Comparative Employment Performance: A Fuzzy-Set Analysis

Jessica Epstein, Danier Duerr, Lane Kenworthy, and Charles Ragin (2008) Comparative Employment Performance: A Fuzzy-Set Analysis

Raginによって開発されたfuzzy-set QCAによる雇用パフォーマンスの比較。1979~95年の14カ国のローエンドの民間サービスセクタの雇用パフォーマンスの比較分析。fsQCAの手法が解説されており、その点でも有益。

2008年10月29日水曜日

恩田陸『上と外』

恩田陸『上と外』を読み終える。博多への出張の折、新幹線車内での暇つぶしのために読む。これまで読んだ,この著者の中で一番面白いかなあ(といってもさほど読んではいないけど…)。車中、十分に堪能できました。

2008年10月25日土曜日

社会科学者のための進化ゲーム

大浦宏邦著『社会科学者のための進化ゲーム:基礎から応用まで』を読む。進化ゲームに関する、これまでの和書の中で最良の入門書かもしれない。といっても、進化ゲームに関する和書はごくわずかしかないが…これまでは『進化的意思決定』をすすめていたが、これからはこれが入門書としてはベスト。微分方程式、行列の若干の知識が必要とされるが、本書では丁寧に解説されているので、数学が障害となることはないであろう。まあ、逆に、「テクニックだから手順さえ、覚えておけばいいよ」というのは後で困るかもしれない。本書に対する不満は、読書案内が貧弱だということ。入門書であるかぎり、これを終えたら次はこれを読みなさい、というのが、進化ゲームをさらに学ぼうとする読者には必要だと思うのだが。もっとも、これも和書の解説書が少ないゆえか。とりあえずは、『進化的意思決定』『ゲーム理論と進化ダイナミクス』、くせがあるけど『進化経済学の数理入門』を読めばいいでしょうか。Weibullの翻訳本はまだ手に入るんだろうか。

2008年9月17日水曜日

Labour Market Institutions and Labour Market Performance

Alfonso Arpaia and Gilles Mourre, "Labour Market Institutions and Labour Market Performance: A Survey of the Literature".
(1)労働市場制度データベースの紹介
(2)労働市場と労働市場パフォーマンス・マクロ経済との関連に関する研究のサーベイ
(3)制度を内生的なものと理解する理論の紹介:法律の源泉と社会的対立理論の紹介

付録の近年の研究の一覧表も有益

交互作用項を持つモデルでの限界効果 in Stata

交互作用項を持つモデルにおいて、stataで限界効果と標準誤差を求める方法。結局、簡単だけど計算しないといけないんですね。

2008年9月4日木曜日

吉田修一『ランドマーク』

吉田修一『ランドマーク』を読む

2008年6月30日月曜日

Efficient Estimation of Time-Invariant and Rarely Changing Variables in Finite Sample Panel Analyses with Unit Fixed Effects

Plumberadn Troeger(2006) Efficient Estimation of Time-Invariant and Rarely Changing Variables in Finite Sample Panel Analyses with Unit Fixed Effects.
(1)時間をつうじて変化しない、もしくは緩慢にしか変化しない説明変数を採用する場合の、固定効果モデルの解説
(2)

Synthetic Control Methods for Comparative Case Studies

Abadie, A. et al.(20079 Synthetic Control Methods for Comparative Case Studies.
Synth手法の解説、応用。イベントが発生した地域(や国)とそうでない国との比較のような場合に利用価値がある。Stata等のバージョンが開発されている。開発者のJens Hainmuellerのホームページからダウンロードできる。StataのSynthバージョンは基本Windowsバージョンであり、Synthをインストールした後に、synthopt.plugin をマック版(Mac universal)に置き換える必要がある。

2008年6月27日金曜日

Efficiency and equality in the labour market

Jonas Agell, Efficiency and equality in the labour market, August 25, 2003.

福祉国家、社会保険としての労働市場制度
「リスク回避的な個人にとっては、不確実は不安の種である。大半の人々にとり、人的資本はもっとも重要な資産である。だが、民間保険市場は、労働市場の多様なリスクからの保護を求める人々の需要に適合しない。とくに、非対称的情報の理由で、または人的資本に係わる長期的な保険契約を執行する問題のために、保険産業は長期的なキャリアリスクに対する保護を提供することはない。

保険市場の不在が政府の再分配政策にとっての重要な役割だという指摘は標準的な帰結である。可処分所得の分散を引き下げることによって、再分配的課税と移転のシステムは、通常のインセンティブと平等効果に加えて保険効果を提供することによって厚生を改善するかもしれない。…保険市場の不在が、課税をつうじて資金調達された福祉国家がなぜ重要な効率性目的を満たすのか、ということを説明する。それは公正と平等の観点からの標準的な正当化を超えるものである(cf. Atkinson(1991,1999), Barr(1998), Sandmo(1991,1998)。福祉国家は、経済的効率性を悪化させる課税wedgeを課すが、有権者はそうしたコストを進んで支払おうとする。それというのも、有権者は補償的な保険給付を受け取るからである。

しかし、福祉国家をつうじた所得再分配は将来の不確実性に対する保険を購入する唯一の方法ではない。保険は、稼働所得分布を縮小させるような労働市場制度をつうじても提供されうる(平等主義的な労働組合、最低賃金立法および失業保険)。…賃金分布の「小さな」圧縮からの保険給付は経済に課されたどのような効率性損失をも超える。こうした分析においては、平等主義的労働組合が自己の不熟練労働者の間に失業を創造するが、それにもかかわらず平均労働者の期待効用が、如何なる失業も存在しない自由放任経済においてよりも高くなる、ということに注目することは重要である」

Labor Market Reforms: The Evidence does Tell the Orthodox Tale

Glyn et al.(2006)Labor Market Reforms: The Evidence does Tell the Orthodox Tale.

Nickellらメインストリームの、「労働市場制度と失業の関連」に関する分析を批判。かれらの計量分析が頑健さを欠くということwを示す。Fighting Unemployment掲載論文の続編というとこか。

Do 'Liberal Market Economies' Really Innovative more Radically than ' Coorinated Market Economies'? Hall & Soskcie Reconsidered.

Do 'Liberal Market Economies' Really Innovative more Radically than ' Coorinated Market Economies'? Hall & Soskcie Reconsidered.
(1)アメリカのパテント引用データを利用し、LME=ラディカルイノベーション仮説を検討
(2)パテンドデータを利用した、技術のラディカルの程度に関する指標の作成
(3)Specialization指標の作成

Labor Market Insitutions and Unemployment in OECD Countries

Nickell, S.(2003) Labor Market Insitutions and Unemployment in OECD Countries.
(1)労働市場制度が失業に与える影響に関する研究を展望
(2)労働市場改革がどれだけ進行したか、その規制緩和の度合いとその後の失業の変化の関連を、bivariateに分析

Trade Credit and Bank Credit: Evidence from Recent Finacial Crisis

Love, Inessa, et al.(2005) Trade Credit and Bank Credit: Evidence from Recent Finacial Crisis.
(1)trade creditに対する金融危機(危機の時代をダミー変数で表現)の影響・効果を検討
(2)さらに、金融危機ダミー変数と企業もしくは国の特殊性の相互作用により、金融危機の影響・各国別相違を検討

2008年6月25日水曜日

Institutional Climate Index

CES ifo DICEにおいて提供されている制度環境インデックス(Institutional Climate Index)。詳細については同研究所からダウンロード可能なResearch Reports, Eicher and Rohn(2007), Institutional Determinants of Economic Performance in OECD Countries: An Institutional Climate Index.を参照。また、この論文は制度と経済成長をめぐる研究に対する展望論文でもある。

2008年6月24日火曜日

The Anatomy of Banking Crisis

Duttagupta and Cahin(2008), The Anatomy of Banking Crisis, iMF Working Paper.
金融危機を引き起こす要因をBinary Classification Treeの手法を使って分析.
(1)金融危機の時代の特定方法
(2)BCT分析の解釈またLogitモデルとの違い
(3)指標の解説:金融健全性指標など、銀行危機のデータソース

2008年6月23日月曜日

Financial Crisis指標

Caprio, Klingerbiel(1999), Episodes of Systemic and Borderline Financial Crisis.金融危機の指標

Banking Crisisとは以下の問題を抱える銀行セクターのepisodeとして定義される:
exhaustion of much of the capital and closure, merger, large-scale nationalization of banks
extensive bank runs
large scale liquidity support by the central bank to avoid a run on deposits

Korean Institutional Reform in Comparative Perspective

Marcus Noland and Erik Weeks(2008), Korean Institutional Reform in Comparative Perspective.

経済は先進国並み、制度は第3世界並みと言われる韓国。が、制度データで検討してみると、そうじゃないよ、という論文。韓国経済の制度改革に対する分析よりも、数量的な制度ソースに関する説明が有益か?

4つの数量的制度データソース
(1)Transparency International Corruption Perception Index(CPI)
(2)World Bank Worldwide Governance Indicators(WGI)
(3)Institute for Management Development World Competitiveness Yearbook(WCY)
(4)World Economic Forum Global Competitiveness Report(GCR)

2008年6月20日金曜日

EU KLEMS Growth and Productivity Accounts

EU KLEMS Growth and Productivity Accounts,2008が公開。EUに日本、アメリカも含まれる。データの詳細については同サイトに掲載されているMarcel Timmer, Mary O'Mahony and Bart van Ark, The EU KLEMS Growth and Productivity Accounts: An Overview, University of Groningen & University of Birmingham, March 2007.参照。なお、データはエクセル形式とテキストファイル形式の両方がダウンロード可能。

2008年6月18日水曜日

Structural Policies and Economimi Resilience to Shocks

Duval, R., J. Elmeskov and L. Vogel(2007), "Structural Policies and Economimi Resilience to Shocks ", OECD Economic Department Working Papers, No.567

(1)経済活動の循環的変動は時間をつうじて緩和されるが、しかし、ボラティリティの大きさと動態はOECD諸国間で異なる。
(2)この異質性の背後にある理由は、各国が共通のショックに直面したとき異なるresilienceの程度
(3)本論文はresilienceの相違を労働市場、製品市場および金融市場の異なった政策的枠組みと制度求める。
(4)(3)の分析にあたって、ショックの初期の増幅効果と、それを持続させる効果を識別し、各種の制度と両効果との関連が示される。

産出ギャップ<==初期ショックの増幅効果と持続効果<==制度・政策

2008年6月16日月曜日

ベイズ統計ソフト BUGS

BUGS (Bayesian inference Using Gibbs Sampling) project is concerned with flexible software for the Bayesian analysis of complex statistical models using Markov chain Monte Carlo (MCMC) methods. Windowsバージョン WinBUGSがある。

2008年6月13日金曜日

The Implications of Aging for The Structure and Stability of Financial Marketes

D' Arista(2008), The Implications of Aging for The Structure and Stability of Financial Markets.
(1)家計金融資産の変化:銀行預金から年金基金や投資信託へ
(2)そうした金融資産の価値がプロシクリカルに変動、増幅
(3)こうした金融制度の下では、家計がショックアブソーバーとなる

という点をエピソード的に説明。家計資産のvolatilityの上昇、家計のリスク・エクスポージャーの上昇

OECD(2006), " Social Safety Nets and Structural Adjustement"

OECD(2006), " Social Safety Nets and Structural Adjustement" , OECD Economic Department Working Papers, No.517,
(1)OECDの社会的セーフティネット(雇用保護法制等)を概観
(2)それが、構造調整に与える効果を検討:ショックの初期のインパクトを緩和する能力よりも、ショック後のresilienceに焦点を当てる。
(3) また、セーフティネットに基づく、各国の政策的枠組みの4分類も面白い。

2008年6月11日水曜日

Protecting Against Labour Market Risk: Employment Protection or Unemployment Benefits ?

Tito Boeri, J. Lgacio Conde-Ruiz and Vincenzo Galassso(2003), Protecting Against Labour Market Risk: Employment Protection or Unemployment Benefits ?

「なぜ各国は失業のリスクに対して個人を保護するために、異なった、雇用保護と失業保険の組合せに依存するのか。なぜそうした制度的構図から離れることが難しいのか。」―――こうした問題に対して、有権者がEPLの厳格さとUBのGenerosityに投票する政治経済的均衡モデルで分析。要点は被用者(インサイダー)と失業者(アウトサイダー)に加え、それぞれに技能水準を加えた点か。また、簡単な実証分析も行われている。そのさい技能を教育水準で代理することはどうか?

Churning

各decileによって受け取られる移転水準を、各decileに支払われる直接税水準(所得税と社会保険料)と比較することで計算。cf. Whiterford(2006), The Welfare Expenditure Debata: " Economic Myths of the Left and the Right" Revisited

2008年6月10日火曜日

Gross job flows and institutions in Europe

Gross job flows and institutions in Europe, Labour Economics, 11(2004) 469-485

(1)ジョブフローに労働市場制度が与える効果を分析
(2)企業レベルの、国際比較可能な雇用創出、雇用消失データを作成(参考になる)
(3)雇用創出と雇用消失データと労働市場制度(雇用保護、失業給付、賃金交渉の程度等)の関連を実証

結論は常識的。企業レベルのデータにもとづいたところに、この論文のアドバンテージあり。

International trade and labor -demand elasticities

Slaughter, M.J.(2001) International trade and labor -demand elasticities. かなり古い論文であるが、労働需要の弾力性を計測するさいの参考。

(1)貿易の拡大が労働市場に圧力を課しているが、それは労働の「価格」にではなく、労働の需要弾力性である。
(2)産業レベルのデータにもとづいて労働需要の価格弾力性の推定
(3)貿易、技術および制度的要因が、労働需要の弾力性に影響を与えるかどうかを検討

結論:1961-91年の期間において貿易が製造業生産労働者に対する労働需要の弾力性の上昇の原因であるかどうかを検討。彼の発見によれば、開放度のさまざまな指標が弾力性(絶対的な大きさにおいて)を引き上げたが、その結果は時間トレンドを含めた場合頑健ではなかった。言い換えれば、労働需要の弾力性は長期的に上昇し、貿易も上昇したが、少なくとも研究され期間のアメリカについては両者の間に頑健な結びつきは存在しなかった。さらに、非生産労働者に関して、労働需要の弾力性が上昇しなかったことも見出されている。

2008年6月9日月曜日

Trade and Labour Market Adjustments

Hill, Samuel(2008) Trade and Labour Market Adjustments, OECD Trade Policy Working Papers, no.64
貿易が労働需要(労働需要の弾力性等)に与えるインパクトを検討したペーパー。貿易のインパクトを輸入のpenetration、オフショアリング等によって分析。また、イギリスとフィンランドについて技能カテゴリーごとの貿易の雇用創出に対する影響も考察。この論文はOECD Employment Outlook 2007の第3章の基礎となっている分析である。

(1)労働市場のvolatility=労働需要の弾力性の上昇
(2)foreign competitionの尺度の作成方法

2008年6月5日木曜日

A Conjecture on the Explanation for High Unemployment

Oswald, Andrew J. (1996) A Conjecture on the Explanation for High Unemployment in the Industrialized Nations.

高水準の失業→低水準の労働の流動性→住宅所有率と捉え、失業を住宅所有率によって説明・実証した論文。基礎となるモデルはShapiro and Stiglitz等によって展開された効率賃金仮説、ここではCarruth et al.(1996)のバリアントを採用.重要な関係は失業とサーチ活動の関連である。サーチ活動の低下→均衡失業率の上昇。実証的には、ジョブサーチ(流動性)と住宅所有率の関係が問われる。

2008年5月31日土曜日

Two decades of structural reform in Denmark: a reviw

Soren Gaard and Mads Kieler(2005), Two decades of structural reform in Denmark: a reviw.
1980年代以降の、デンマークの労働市場改革と福祉制度改革を展望した論文。制度改革の経緯が簡潔にまとめられている。改革のインパクトの評価はOECD19カ国のパネルデータ(失業率を、労働市場制度、製品市場規制、税制等に回帰)を利用し、パラメータを推定した上で、デンマークのケースに適用し、デンマークの制度改革の評価を行っている。

2008年5月29日木曜日

Flexicurity—Labour Market Performance in Denmark

Torben M. Andersen and Michael Svarer(2007) Flexicurity—Labour Market Performance in Denmark.

(1)デンマークの低水準の、安定的な失業は、解雇・雇用の容易さ(フレキシビリティ)と労働者の所得保障(セキュリティ)の結びつき(いわゆるフレキシキュリティ)には帰されない。
(2)労働市場パフォーマンスの改善は1990年代の一連の改革に起因:受動的な労働市場政策から積極的な労働市場政策への転換
(3)デンマークモデル:フレキシブルな解雇・雇用ルール、寛大な社会的セーフティネットおよび積極的な労働市場政策

workfare ≒ Activation program

雇用変動指標

Relative employment variability=雇用成長の標準偏差/実質GDPの標準偏差

job securityは近年数の長さ

2008年5月27日火曜日

Labour mobility, relatted variety and the performacne of plants: A Swedish study

Ron Boschma, Rikard Eriksson and Urban Lindgren、Labour mobility, relatted variety and the performacne of plants: A Swedish study、Papers in Evolutionary Economic Georgraphy #08.09

企業パフォーマンス←労働移動。プラスの効果をもたらすのは移動する労働者の技能ポートフォリオと異動先企業の技能ベースとの補完性があるかどうかが重要。このペーパーの面白いところは、流動的な労働市場においてさえ、労働者の技能と企業の既存の技能ベーストとが補完的でなければ、企業パフォーマンスが改善されないというところか。また、技能ポートフォリオ尺度はエントロピーを利用。

2008年5月26日月曜日

Employment in Europe and the Concept of 'Flexicurity': Some Notes

Luca Nunziata, Employment in Europe and the Concept of 'Flexicurity': Some Notes
October 2006
「フレキシブルではることは、オランダやデンマークの例が示すように、かならずしも不安定であることを意味しない。実際にわれわれが関心を持つのは、職の保障job securityというよりもむしろ雇用の保障employment securityである。この目的は、職の保護を緩めると同時に失業給付システムと、失業者の再雇用支援を意図した積極的政策を改善することである。」

フレキシビリティの上昇→中位の投票者の支持→失業給付の提供(雇用保護)

「労働市場へのフレキシキュリティアプローチには製品市場における競争の拡大努力を伴うべきである。具体的には、起業活動への障壁を取除くことが、職の創出率を高め、したがって、より不安定な職の環境において失業者の機会を拡大するであろう。」

2008年5月20日火曜日

Labor Market Institutions, wages, and Investmetn: Review and Implications

Pischke, J.(2005) Labor Market Institutions, wages, and Investmetn: Review and Implications.
労働市場制度(賃金圧縮/賃金の不平等)、企業の人的資本(訓練)と物理的資本への投資決定の関連を検討。「労働市場制度したがって賃金圧縮がより重要である経済では、一般的に、低熟練労働者への企業による投資が相対的に大きい。賃金圧縮が欠落している経済では、投資は高熟練労働者へとシフトする傾向にある。」

2008年5月14日水曜日

Labour Market Institutions and the Personal Distribution of Income in the OECD

Daniele Checchi and Cecilia Garcis Penalosa(2005) Labour Market Institutions and the Personal Distribution of Income in the OECD, IZA Discussion Paper.

(1)失業、労働シェア、熟練労働者と不熟練労働者の相対賃金を、労働市場制度の関数としてモデル化。熟練労働者の賃金設定は効率賃金仮説、不熟練労働者の賃金決定は労組と企業との交渉モデルによって定式化。(2)次いで、モデルに登場する4つの主体ーー熟練労働者、不熟練労働者、失業者、資本を持つ労働者ーーの個人所得のジニ係数が、上の3つの変数によって表現される。これにより、労働市場制度が所得分配に与える影響を考察しうる理論モデルが形成される。

こうしたモデルにもとづき、1970-96年のOECD経済のパネルデータを利用した計量経済分析が行なわれる。

2008年5月12日月曜日

PEWGLOBAL

世界的に実施されている世論調査プロジェクト

昼休みにジムへ。1500を3本、ウェイトを2周り、1時間半ほど汗を流す。

『サブプライム問題の正しい考え方』

倉橋・小林著『サブプライム問題の正しい考え方』を読み終える。「証券化はリスクを分散する金融技術であったが、結果としては分散化したことでリスクの所在と規模が把握しにくくなり、問題を拡散させてしまった」 住宅ローンの証券化市場の優れた紹介。第2章「焦げ付いたサブプライムローン」と第3章「国際金融市場への波及」は、金融技術が進み一般には理解しがたい住宅ローン証券市場の概要およびサブプライムローン問題をやさしく解説。専門家としての力量の高さが伝わってくる。それでも通勤電車の中で読むにはつらいかもしれない。最後の章においては、それまでの冷静な分析とちょっとかわって日本経済の将来を憂う著者たちの熱い思いが伝わる。なぜアメリカのヒスパニックら低所得者層はあんなとんでもない金利の住宅ローンを選択するんだと笑っていたが、3年固定金利なんてものも日本でもはやるんだから笑ってられません。

2008年5月9日金曜日

Income Inequality, Poverty and Social Spending in Japan

Randall Jones(2007),Income Inequality, Poverty and Social Spending in Japan. OECD Econ.Dep.Working Paper No.556.
日本における生産年齢人口の間での所得の不平等と相対的貧困が、OECD平均を超えて、急速に上昇していることを指摘。その主たる原因が、高齢化以上に、労働市場の二重化すなわち非正規労働者に起因すると指摘。

Do Unemployment Benefits Promote or Hinder Structural Change?

Boeri and Macis(2008), Do Unemployment Benefits Promote or Hinder Structural Change? これまで失業給付は失業を引き上げると理解されていたが、彼らは失業給付がjob reallocationに与える効果に注目する。UBが雇用創出、雇用消失、農業部門、サービス部門に与える効果を、OECDのパネルデータを作成し、検討。そのさい、UBは(0,1)であり、失業給付制度の存在は1、それ以外は0。動学バージョンも検討。雇用創出・消失変数の作成、給付制度が雇用再配分に与える効果の分析手法は参考になる。

2008年5月8日木曜日

LABORSTA Internet

ILO, LABORSTA Internet Statistics ILO提供の労働統計、しばらく見ないうちに、かなり整備されてきている。掲載データは以下のとおり。

(1)Total and Economically Active Population
(2)Employment, Unemployment
(3)Hours of Work
(4)Wages
(5)Labour Cost
(6)Consumer Price Indices
(7)Occupational Injuries
(8)Strikes and Lockouts
(9)Other

Labor Market Regulation: Motives, Measures, Effects

Bertola, Giuseppe(2008), Labor Market Regulation: Motives, Measures, Effects, Report produced in the framework of the ILO project on The Economic Impact of International Labour Standards.
労働市場制度に関する理論的根拠および実証分析を展望した論文。ここの制度についての検討もあり。労働市場の規制の理論的根拠は労働市場や金融市場の不完全性に求められる。興味深い点:Bertolaの基本的なアイデアは、労働市場制度が不効率の金融制度の代替という点か? 

2008年5月7日水曜日

Unions and labour market institutions in Europe

Daniele Checchi and Claudio Lucifora(2002), Unions and labour market institutions in Europe, in Economic Policy, 2002.随分と古いが面白い論文である。

(1)労働組合を労働市場リスクから労働者を守る保険的機能を担うものとして理解。なお、従来の見方 rent-seekingな労組の理解を労組のbad viewとラベルづけている。
(2)労働組合組織率=経済的要因+制度的要因(GLSを利用)によって、労働組合と補完的もしくは代替的な制度を検出
(3)主成分分析を利用し、各国の制度的構図(労組に補完的か、代替的か)を示す。また、同じことを期間についても示す。

失職リスクの代理指標

失職リスクの代理指標としての失業水準の効果の役割は、3カ年移動の失業率の標準偏差によって捉えられる。

Product Market Rentの代理指標

いくつかの変数によって代理
(1)share of public sector employment
(2)indicators of market regulation
(3)degree of openness to international trade
(4)wage share on the gross domestic product

2008年5月5日月曜日

国際金融のトリレンマ

①為替の安定、②金融政策の独立性、③国際的な、資本の自由移動

<<金本位制の時代>>
 -為替の安定と資本の自由な移動は満たされていたが、金が国境をまたいで自由に移送されるために金融政策の独立性は保たれていなかった。
<<第2次世界大戦後のブレトンウッズ体制>>
 -固定相場制と金融政策の独立性を確保するために、短期的な資本の移動を制限
<<現在の為替相場制度>>
 -為替の安定よりも、金融政策の独立性と資本の自由な移動を優先。資本移動が大きくなると、介入により為替レートを安定化させることは時事上不可能
『アメリカの経済政策』(86)

2008年5月3日土曜日

Andre Sapir, Globalization and the Reform of European Social Models

Andre Sapir(2006), Globalization and the Reform of European Social Models, JCMS 2006 Vol.44, No.2, pp.369-90.
つまらない論文。興味深い点はBoeri(2002)の紹介部分だけ。所得と貧困の不平等の低下、労働市場リスクに対する保護、労働市場参加の報酬の観点から、ヨーロッパの社会モデルを4つに分類。EPL-UBのトレードオフ(Fig.2).インサイダーはUBよりもEPLを選好。

中尾武彦著『アメリカの経済政策』


中尾武彦著『アメリカの経済政策 強さは維持できるのか』を読み終える。新書にもかかわらず、時間がとれず、ちょっと長くかかってしまいました。1990年代のアメリカ経済と政策スタンスを網羅した、バランスのとれた紹介。さすが官僚。IMFへの出向経験があるだけに、金融関係の部分がとりわけ面白い。「変革の進む金融セクタ―とその政策」。3章のマクロ経済政策の視点も面白い。政策スタンスの収斂(新古典派的)とトリレンマの紹介は啓蒙的でしょう。

2008年5月1日木曜日

Melody Gardot

Coool!久しぶりにしびれました。ジャッケトも素敵。メロディ・ガルドと訳されているけど、YouTubeのインタビューを聞いていると、Gardotはガードと聞こえる。まあ、Rだからね。また、彼女のサイトも素敵です。WikipediaのMelody Gardotの紹介です。ざっと訳すとこんな感じでしょうか「1985年、ニュージャージーに生まれ、19歳に自転車に乗っていたとき自動車事故にあい身障者となる。この事故は悲劇であったが、これがきっかけで注目すべきミュージシャンとして認められるようになる。彼女が音楽を始めたのは主治医の勧めからであった。事故のさいに頭部に受けた損傷のために認知障害が発生するのではと心配したからであった。主治医は音楽が脳の損傷を劇的に改善するだろうと信じていた。(中略)医師の提案にしたがって、Melody Gardotはレコーディングをはじめた。そのときはまだ歩くことができなかったが、Some Lessons the Bedroo Sessionsというタイトルのドーナツ版をリリースした。快方に向けた彼女の意志は、少しばかりの幸運も相俟って、パブリックラジオ放送局WXPN、AAA(アダルト・アルバム・オールタナティブ)のローカルラジオのDJの目にとまった。同局はAmos LeeやNorah Jones等のアーティストにとってキャリアの出発点として知られている。Melody Gardotはすぐさま「天才シンガーソングライター」として人々の尊敬を集めるようになった。それは驚くべき音楽性はもちろんのこと、不幸にもかかわらず彼女が賞賛すべき勇気を示したからであった。」

2008年4月28日月曜日

Institutions and Wage Determination: a Multi-country Approach

Luca Nunzaita,Institutions and Wage Determination: a Multi-country Approach, Oxford Bulletin of Econoics and Statistics, 67(4)(2005)

1960-1994年のOECD諸国における労働コストと労働市場制度の関連を検討。労働コスト=失業率+労働市場制度をGLSで推定。
計量モデルのいくつかには賃金交渉制度にもとづいて分類した国グループのダミー変数も導入。各種のテスト(poolability, heteroskedasticity, unit root, cointegration)、またダイナミックシミュレーションの手法は有益か。結論は比較的常識的。Nickell, Nunziata and Ochel(2005)ーー失業と制度の関連を検討ーーに対応する論文。

2008年4月26日土曜日

OECD Employment Outlook 2006 (2)


OECD Employment Outlook 2006の翻訳が出ていたことに今頃気づく。1年おくれで…。最近、日本語の文献をほとんど見ないという悪癖を反省。『世界の労働市場改革 OECD新雇用戦略 雇用の拡大と質の向上、所得の増大をめざして』。OECDの分析・提言に賛成するにしても、反対するにしても、読むべき価値あるとても有益な翻訳である。オリジナルは飛ばし読みだから、あらためて通して読んでみることにしましょう。

2008年4月22日火曜日

The Role of Labor-Market Changes: In the Slowdown of European Productivity Growth

Ian Dew-Becker, Robert J. Gordon(2008) The Role of Labor-Market Changes: In the Slowdown of European Productivity Growth.を読み終える。

1995年以降のEUの雇用成長の復活と生産性成長の鈍化
 ←説明変数:6つの政策変数(税のくさび、雇用保護立法、製品市場規制、失業保険の平均補償率、労働組合組織率、および「高コーポラティズム」指標)+1995年時間ダミー

1.時間ダミーが有意:女性の労働力化を受け入れる社会の変化と解釈
2.雇用の成長と生産性成長の相互作用→操作変数法、2SLSを利用。両者の負の関係

政策/制度変数が雇用と生産性に与える効果のシミュレーションの手法も示唆的。

2008年4月18日金曜日

Are Labour Market Institutions Endogenous?

Daniele Checchi and Luca Nunziata(2007) Are Labour Market Institutions Endogenous? An Investigation of Unemployment, Unions and Wages.

これまでの労働市場の制度研究が、制度→労働市場パフォーマンスに焦点が置かれていたが、この論文は制度(労働組合組織率)の内生性を明示的にモデル化したものである。方程式体系、3SLSを利用し、労働市場パフォーマンス(失業)との相互作用を計量的に分析した論文。また、Hall & Soskcie, Amableらの研究も取り入れ、係数の異質性をとりあげている。失業と組織率の間に存在するフィードバック効果にもとづいて、各国を分類。興味深い論文。

2008年4月16日水曜日

Employment Patterns in OECD Countries

Andrea Bassanini, Romain Duval, (2006) Employment Patterns in OECD Countries: Reassessing The Role of Policies And Institutions, OECD Economics Department Working Papers No.486.

労働市場パフォーマンス(失業および雇用)に、制度と政策(およびそれらの間の相互作用)が与える効果、またBlanchard and Wolfersにしたがった制度と外生ショックの効果に関するきわめて包括的な計量経済学的実証分析。付録の各政策、制度に関する理論の要約も有益。また、NIckell and Layardの不完全競争の枠組みの簡単な紹介もあり。

2008年4月15日火曜日

つくえと筋トレ


20年以上は使われていたと思う机を廃棄し、新しいデスクを購入。前のものより小振りだけど、引き出しがあるので、収容量が増加。部屋のスペースも拡大し、満足。でも、相変わらず、机の上はペーパーの山です。いまのテーマ(どっちにするか未だ迷い中)を終えたら、ファイルにしないと…。今日は久しぶりに筋トレに出かける。最後が半年前? 飛ばさないように慎重に身体をいじめる。以前に走りすぎて、膝を痛めたり、股関節を痛めたりしたからね〜。

2008年4月14日月曜日

Danish for All? Balancing Flexibility with Security.

Zhou Jianping, Danish for All? Balancing Flexibility with Security: The Flxicurity Model, IMF Working Paper WP/07/36.を読む。以外と面白い。デンマークモデル(フレキシキュリティモデル)の簡単な定義から始まり、失業パフォーマンスとフレキシキュリティモデルの実証分析ーーデンマークのフレキシキュリティモデルが如何にして失業率の低下に寄与したのかーー、理論的な動学モデルへと展開。

4つのキーとなるデンマークのフレキシキュリティモデルの特徴:
1)フレキシブルな労働市場:雇用保護立法の厳格さによって尺度;デンマークの労働市場は他のヨーロッパ諸国に比べ、よりフレキシブル
2)寛大な失業給付:平均的な純補償率はおよぼ80%でヨーロッパでもっとも高い
3)積極的労働市場政策への高水準の支出
4)大きな、労働所得に対する税のくさび;フレキシキュリティモデルはコストがかかる

計量分析:失業率と相関する、フレキシキュリティモデルの政策要因の確定。動学モデルでは、制度の効果を理論的に考察する場合、有益。

2008年4月12日土曜日

Labor Market Policies and Outcomes: Cross Country…

Rovelli&Bruno, Labor Market Policies and OUtcomes: Cross Country Evidence for the EU-27, IZA Discussion Paper ,No.3161, November 2007.

Boeri(2002)の4つの社会政策モデル--雇用保護-失業給付のトレードオフにもとづく分類--を批判し、社会政策の各国の相違を政策のgenerosityによって分類するもの。社会政策の寛大さは、GDPに対する社会支出によって測定(ただし、いくつのかバリエーションあり)。分析の結論:①より高い雇用者比率がより高い労働市場政策への支出、とりわけ積極的政策への支出と関係している。②高水準の雇用者比率が労働市場制度の低い硬直性の程度と関係している。

2008年4月10日木曜日

The Interaction of Labor Market Regulation and Labor Market Policies…

Eichhors and Konle-Seidl, The Interaction of Labor Market Regulation and Labor Market Policies in Welfare State Reform, 2005を読む。つまんないんで飛ばし読み。1980年代以降のヨーロッパの労働市場改革を展望。FlexibleとSecurityの観点から各国の労働市場改革を整理。巻末の改革一覧表は有益かな?

2008年4月8日火曜日

Worker Rights and Financial Stability

Weller, Mahadevan-Vijaya, and Singleton, Worker Rights and Financial Stability, RRPE,vol.35, no.3, 2003を読む。かなり昔の論文。どちらかと言えば、期待はずか。労働者の権利の上昇が金融危機の低下に寄与するという分析。両者の間のりくつがQuestion.理論なき計量か。手法はロジット分析。従属変数:金融危機は2項変数(金融危機の時代=1、それ以外=0)、独立変数はWorker Rights+コントロール変数。それにしても、金融危機(default, maturity, exchange rate risk)はどのようにして判断しているのか、不明。何をもって金融危機の年と判断しているのか。

2008年3月31日月曜日

Amable, et al., Employment Performance and Institutions

Amable, Demmou, Gatti, Employment Performance and Institutions: New Answers to an Old Qusetion, IZA Discussion Paper No. 2731, April 2007.

雇用パフォーマンス(Inactivity, Joblessness, Unemployment)と制度的アレンジメント(労働市場制度、金融制度、製品市場規制)の関連に関する実証的研究。そのさい、time-invariantな変数(制度)を考慮し、新たな計量的手法FEVDを利用。また、労働市場規制と製品市場規制が補完的か、代替的かに関する実証研究の結果も面白い。

Employment Protection特集

Economic Journal, 117, 2007の「雇用保護」特集。雇用保護は従業員の解雇と雇用を規制する一連の制約であるが、EPLが生産性や雇用に与える効果をめぐって編集されている。IZAで企画された研究プロジェクト。「EPLが生産性、雇用および離職に与える効果において、かなりの異質性を示している。…政策立案者は少なくとも、労働市場制度を改革するさいにはこうした異質性のいったんを考慮すべきである。企業や労働者ごとで異なったEPLの効果は改革やその履行のカギを提供する。」(Feature: Employment Protection Legistration, by Pierre Cahuc and Winfried Koeniger)

2008年3月29日土曜日

めまい

椅子にすわっていたとき、めまいにおそわれる。椅子にすわっていなかったら倒れていたかもしれない。まったくはじめての経験。疲れがたまっていたのかもしれない。気をつけないと。大腸カメラの予約もしないと。思いのほか3月が忙しく、予定が立たなかった。

2008年3月27日木曜日

金融化指標

Intensity of Financialisation: 対GDP比金融資産:Domestic Credit to GDP

2008年3月26日水曜日

よろずや

最近、さまざまな問題に対処するよろずやと化している.…? それにしてもいろいろな問題が起きるものです。まあ、一つずつ片づけていくことにしましょう。でも、少しずつリハビリをしないと。さて、どちらのテーマに絞って書くか…

IMF World Economic Outlook

World Economic Outlook Reports
IMFスタッフによるグローバル経済分析。なお、同報告で利用されているデータがダウンロードできる。

2008年3月16日日曜日

FOMA 705iμ購入

シルバーとレッドもあるが、迷うことなく、ブラックを選択。黒い、薄い石板のような飽きのこないデザインに満足している。 しかも、この薄さでFelicaが使えるのは感動もの。PCとの接続もこれまでのソフトをアップデートするだけで使えたし、トラブルなくPCのスケジュールのデータを同期化ができた。あと、背面のシグナルで魚が泳いで行くのも気に入った。

2008年3月13日木曜日

FEVD:制度効果の推定手法

固定効果において、time-invariant変数もしくは変化の緩慢な変数の推定方法を示したもの。制度の効果を検討する際に、利用されている。また、stataのadoファイルが配布されている。Efficient Estimation of Time-Invariant and Rarely Changing Variables in Finite Sample Panel Analyses with Unit Fixed Effectsxtfevd

2008年3月11日火曜日

Blanchard, European Unemployment

Blnachard, European Unemployment, Economic Policy, 2006.読み終える。ちょっと古いが、ヨーロッパの失業に関する事実とそれを説明する理論を展望したペーパー。研究の焦点が当初の外生的ショックから、制度へとシフトしてきたことが指摘される。結局、失業の持続性とその各国別相違が問題となると、制度が重要だということか。

2008年3月9日日曜日

Fon and iPod touch(2)

その後、オフィスから
Fon
にログインし、設置場所を指定したところ、無事、問題なく終わり。めでたくLinus(他のFonにアクセスできる会員のこと)になりました。フレッツ光との相性っていうのはまったく関係がなかったみたい。La Foneraは快調、MACアドレス指定の家庭内LAN(My Place)としても使えるし、パブリックな無線基地(FON_AP)としてもアクセスできる。WiFi機器の普及で、Fonも普及するかもしれない。

それにしても、iPod touchはすぐれもの。横になりながらインターネットが可能。メールチェックやブラウズを楽しめる。液晶の表示もきれい。PDAとしても、なかなか、これがあれば、手帳はいらないかな。

2008年3月4日火曜日

iPod touch Mail Soft

GoogleがIMAPに対応ということで早速設定。iPodのメールが利用できるようになりとても便利です。

2008年3月2日日曜日

FON and iPod touch


FONを導入。注文して2日後にとどく。実にはやい.およそ2000円で無線LANはうれしい。これで家庭内無線LANが出来上がり。しかし、パブリックは出来上がっていない。事前にネットで調べたところフレッツ光と相性がわるいらしい。これは時間がで来たらやりましょう。とにかく家で問題無し、素晴らしい。

2008年2月28日木曜日

Chataignier, Statistical indicators relating to social dialogue

Anne Chataignier, Statistical indicators relating to social dialogue: A compilation on multiple country databases. 2005.社会的対話に関連する統計データソースを紹介したもの。2005年の論文だから、いささか古いかもしれない。

What have we learned

Eichhorst, Feil, What have we learned: Assessing labor market institutions and indicators.この論文は労働市場制度とその成果・パフォーマンスの関連に関する研究を展望したもの。
 1)中心的な労働市場制度とその指標について紹介、検討(データソースの紹介もあり)。
 2)労働市場制度と経済パフォーマンスの関連に関する実証研究をレビュー。

本論文末に、研究の一覧表が掲載されている。Freeman論文、Blanchard論文と同じく展望論文。

2008年2月26日火曜日

OECD Employment Outlook 2006

OECD(2006)は資本主義の多様性論に似た議論を展開。労働市場パフォーマンスにおけるツインピーク。主成分分析にもとづき、優れた労働市場パフォーマンスの2つのモデルがOECD諸国において存在する、と主張している。1つのグループは低水準の失業給付、税およびEPLを有し、第2のグループは、十分に発達した給付制度、積極的労働市場政策およびコーポラティズム型の協力でもってほぼ同様のすぐれた成果を達成。しかし、資本主義の多様性とは対照的に、OECDは大陸ヨーロッパのコーディネートされた経済を成功したものとは見ておらず、むしろ、労働市場パフォーマンスからみて問題のあるものと見ている。大陸ヨーロッパ諸国が受動的な福祉国家や規制の厳しい雇用保護と結びついているため。

2008年2月25日月曜日

OECD_製品市場規制データ

Product Market Regulation Home Page@OECD. Nicoletti, Conwayによって開発された製品市場規制データが提供されている.

2008年2月23日土曜日

iPod touch 32G


iPod touch 32Gをゲット。これは確かに素晴らしい。タッチパネルの動きもスムーズだし、直感的にもわかりやすい。Wi-Fi機能がとても便利。ちょっと予想外はフラッシュメモリーだから軽いと思っていたら、予想外にずっしり。しかし、これとて予想およりは、ということ。

2008年2月20日水曜日

CEP-OECD Institutions Data Set

William Nickellによって収集されている、労働市場制度のデータセット。もともとはNunziata and Nickellの研究データにもとづいている。これは20のOECD諸国をカバーしており、1960-2004年の時系列データを含んでいる。データ形式はエクセルとstataの形式です。William NickellってStephne Nickellと何関係あり?

2008年2月12日火曜日

Freeman, Labor Market Institutions around the world

Labor Market Institutions Around the World,2008
Richard B. Freeman

労働市場制度の各国の相違によって経済パフォーマンスの相違を説明してきた文献をレビュー。制度が経済的パフォーマンスに影響を与える3つの方法を確認する:インセンティブの変更;効率的交渉の促進;情報、コミュニケーションおよび信頼の向上。最終的には、労働市場制度がどのように機能し、どのようにマクロ経済に影響を与えるかを確認するためには、ミクロデータ、シミュレーションおよび実験の利用が必要という議論を展開。

2008年2月11日月曜日

Synth:比較分析のためのソフト/手法

Synth - Synthetic Control Methods for Causal Inference in Comparative Case Studies:Synth (by Alberto Abadie, Alexis Diamond, and Jens Hainmueller)は比較分析のために利用可能な統計ソフト。Abadie and Gardeazabal (2003) and Abadie, Diamond, and Hainmueller (2007).によって開発された手法を実行.Matlab, R, Stataの3つのプログラムが利用可能。Stataに組み込みました。

2008年2月7日木曜日

Freeman

FreemanのLabor Market Institutions Around the Worldを読み始める。Freemanは「あこがれ」の研究者の1人ですが、今回のものはさほど面白くなさそう。それでもいつもながら手際のよいこと。優れた展望論文というところでしょうか。それにしても、今日は13:00ー17:30頃までずっと会議、その後も諸々のペーパーワーク。怖いことに最近はこんなんでも疲れないなあ〜。何でだろう? 慣れかかあ〜。頭の痛いことは書評原稿の締切が迫っているのに、未だな〜んも手を付けず。2月末まではめどをつけたい。

2008年2月4日月曜日

Bertola, Finance and Welfare States in Globalising Markets

Bertola, Finance and Welfare States in Globalising Markets, 2007. この論文の独自性は次の点にある。国際経済の統合により所得損失リスクが高まり、家計の社会保険需要が上昇が期待される一方、金融市場が発達している場合、金融市場をつうじて家計の所得をスムーズ化することにより、所得の不安定性を抑制することができ、それによって社会保険需要が低下する。Christopher Kent and Jeremy Lawson (eds.), The Structure and Resilience of The Financial System, Sydney: Federal Reserve Bank of Australia,2007.

Doing Business雇用の硬直性指標

Doing Business 経済成長に影響を与える規制を評価するためのガイドを提供。参入規制、労働規制、信用、インフラ等、さまざまなデータを提供している。Simeon Djankovによって開発

2008年2月3日日曜日

The Economic Freedom of the World

The Economic Freedom of the World Networkは世界の経済的自由に寄与するためのネットワークだそうです。この団体が発行している年報”The annual Economic Freedom of the World Report”には141ヵ国の経済的自由度を測るデータが掲載されており、同サイトからダウンロードできる。Richard Freeman等、研究者も利用しており、信頼のおけるデータのようです。

2008年1月29日火曜日

Job Insecurity and Wages

Campbell, Carruth, Didkerson and Green (2007) Job Insecurity and Wages. in Economic Journal.
主観的雇用不安:失職の恐れ(米英のアンケート調査にもとづく)と客観的の関連、さらに失職の恐れと賃金成長の関連を、プロビッド分析を利用して分析

2008年1月27日日曜日

堤未果著『ルポ 貧困大国アメリカ』

堤未果著『ルポ 貧困大国アメリカ』を読み終える。とりあげられている問題はすでに知られている事実だが、エピソード、個々の事実によって語らせることによって、現代アメリカの社会を生き生きと描く。とくに医療事情とイラク戦争を支える貧困層・移民層の章は面白い。

2008年1月24日木曜日

iTunes Movie Rentalを試す

iTunes Movie RentalでMean Girlを視聴。DVDレンタルと変わらず、便利であることは間違いない。新作で3.9ドルでは高い? しかもGift Cardの手数料を加えると、安くない。しかも、なぜかiPodに転送できない。HPの説明では、to goできるはずなのに…。

2008年1月21日月曜日

Rehm, Citizen Support for the Welfare State

Rehm, Citizen Support for the Welfare State: Determinants of Preferences for Income Reditribution.2005.
アンケート調査を利用し、所得再分配に対する選好の決定要因をーープロビッドモデルを使ってーー分析。Meltzer=Richard, Iversen & Soskice等の先行研究を踏まえた仮説を提示した上で(記述的、モデルなし)、検証。興味深い結果はリスクに対する個人のexposure(産業構造の変化と国際競争の上昇)がそれほど再分配選好を高めない、影響を与えないという点である。

2008年1月15日火曜日

Welfare-State Retrenchment

Amable, B. Gatti, D. and Schumacher, J. (2006)Welfare-State Retrenchment: The Partisan Effect Revisited. in Oxford Review of Economic Pokicy, vol.22, no.3. 福祉国家の展開(社会支出、医療の純補償率)が、Iversen and Cusack(2000)にしたがい、産業構造の変化によって説明される、と主張。ただし、産業構造の変化→福祉国家の展開の効果は政府のパルチザンシップ効果によって増幅されるということを実証的に説明。後者の点がこの論文のオリジナル。また、この論文は福祉国家=保険機能を重視したもの。

比較福祉国家データセット

Huber and Stephensによって提供されている、比較福祉国家データセットです。データ自体は、彼らの論文とともに、ルクセンブルグ所得研究所に置かれています。

2008年1月10日木曜日

『進化ゲーム理論と遺伝的アルゴリズム』

『進化ゲーム理論と遺伝的アルゴリズム』が届く。進化ゲームの話はそれほどなく、期待していた内容と異なるものの、エクセルを使って遺伝的アルゴリズムを作成するというのは楽しそう。しばらく遊べそうです。

2008年1月8日火曜日

『グローバル経済を学ぶ』

野口旭著『グローバル経済を学ぶ』を読み終える。比較優位の考え方、貿易黒字・赤字の読み方、国際通貨制度の問題をやさしく解説。グローバリゼーションそのものは問題ではなく、国内の産業構造の調整(衰退産業の整理)が問題であることを指摘。それにしても、要素賦存量が各国の比較優位を決定するというが、最終的にそれを決定するのは何か。著者は技術に求めているようであるが。もう1つ気になる点は、世界経済は市場化にむかって単線的に進んでいるという印象を与える。1990年代に変化はなかったのか? なお、同種のものとしては『セイヴィング・キャピタリズム』があるが、こちらの方が面白い。もちろん、本書は新書という性格のため制約もあることは確かである。