2010年8月29日日曜日

斉藤貴男著『消費税のカラクリ』


斉藤貴男著『消費税のカラクリ』を読む。

消費税は国税滞納額ワーストワンという事実(p.30)

(1)法人税はもとより、所得税の累進率の大幅な低下。これに呼応した消費税税率の引き上げ論調
(2)景気変動に左右されない安定的な税源という虚妄
(3)「益税」キャンペーンの嘘→「損税」? 消費税はいったい誰が負担しているのか
(4)仕入れ税額控除という仕組み→派遣労働者
(5)輸出企業


ジャーナリストらしく実態を踏まえ、数々の問題点を指摘して行く手法は見事。一気に読ませる。大手新聞社の調査能力はどうなっているのか、あらためて疑問を感じさせる。

2010年8月28日土曜日

丸谷才一『女ざかり』

今月は新幹線に乗る機会が多く、車中のお供として丸谷才一著『女ざかり』を選ぶ。もう古典的と呼んでもいいかもしれない。これまで丸谷才一は食わず嫌いで、まったく読んだことがなかったが、筒井康隆が傑作と評価しているので、それではと選んだ次第。ディケンズ的かもしれないが、個人的趣味から言えば、まったく合わず、何度放り投げようかと思えるほど…。それでも、代替本を用意してなかったので読み終える。筒井風に言えば、まったく教育されないダメな読者かもしれないが、これはどう読んでも評価できない。娯楽なき時代の、文壇内のウチ向き小説のように思える。何でヒットしたかまったく理解できず…ダメな読者です。

2010年8月16日月曜日

現実逃避


締切が迫り、またもや現実逃避。今回の現実逃避は村上春樹著『1Q84 Book3』。Book2を読み終えたときは、これで、完結でも良いのでは、と思ったが、Book3を読み終え、1Q84はBook3が不可欠なピースであることを納得。当初の想像以上にメッセージ性が強い本である。いつもながらファンタジーにリアティを与え、現代世界を語る技量には圧倒される。十分に楽しませてもらいました。