2010年5月29日土曜日

吉田修一『悪人』


いつもの悪い癖で、事務作業等の締切が迫ると、現実逃避か、ついつい小説に走ってしまう。今回の現実逃避は、吉田修一『悪人』。文庫版化になったの機に手に取る。文庫版化は映画される前宣伝らしい。文庫本の帯をみると、主演は妻夫木聡と深津恵理らしい。小説のイメージに近いかもしれない。映画も見に行こうか、迷う所。登場人物の多くが重層的に描かれているのに、学生の増田だけが型通りの「悪役」だったのは少し残念。ともかく、週末を楽しめました。

2010年5月13日木曜日

湊かなえ『告白』


ベストセラー湊かなえ『告白』が文庫本になったのを機に購入。ミステリーに固有のご都合主義的な部分も無きにしにもあらずだが、関係者のモノローグで展開されるストーリー展開は飽きせず、いっきに読ませる。でも、最後は「え〜どうやってそんなことができるの?」ということで終わる。すべてはマゾコン少年の、はためいわくな殺人計画というところでしょうか。出張の際に新幹線の中で読むのにベスト。

2010年5月11日火曜日

Bertola & Prete, Openness, Financial Markets, and Policies

Bertola & Prete(2008), Openness, Financial Markets, and Policies: Cross-Country and Dynamic Patterns.

1週間ほど風邪のためにまったくペーパーが読めず、読み終えるのに随分長くかかってしまったが、ようやく読了。
国別パネルデータによって、経済統合(開放)が政府の再分配を引き上げる、ということを指摘。しかし、この効果・関係は金融市場の発達によって弱められる。つまり、金融市場の発達は政府再分配政策を代替するという点が独自な論点(この論点はBertolaの一連の論文によって指摘されているとおり)。なお、Agell(2002)の社会保険志向制度の分析もテストされている。