大浦宏邦著『社会科学者のための進化ゲーム:基礎から応用まで』を読む。進化ゲームに関する、これまでの和書の中で最良の入門書かもしれない。といっても、進化ゲームに関する和書はごくわずかしかないが…これまでは『進化的意思決定』をすすめていたが、これからはこれが入門書としてはベスト。微分方程式、行列の若干の知識が必要とされるが、本書では丁寧に解説されているので、数学が障害となることはないであろう。まあ、逆に、「テクニックだから手順さえ、覚えておけばいいよ」というのは後で困るかもしれない。本書に対する不満は、読書案内が貧弱だということ。入門書であるかぎり、これを終えたら次はこれを読みなさい、というのが、進化ゲームをさらに学ぼうとする読者には必要だと思うのだが。もっとも、これも和書の解説書が少ないゆえか。とりあえずは、『進化的意思決定』『ゲーム理論と進化ダイナミクス』、くせがあるけど『進化経済学の数理入門』を読めばいいでしょうか。Weibullの翻訳本はまだ手に入るんだろうか。
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