野口旭著『グローバル経済を学ぶ』を読み終える。比較優位の考え方、貿易黒字・赤字の読み方、国際通貨制度の問題をやさしく解説。グローバリゼーションそのものは問題ではなく、国内の産業構造の調整(衰退産業の整理)が問題であることを指摘。それにしても、要素賦存量が各国の比較優位を決定するというが、最終的にそれを決定するのは何か。著者は技術に求めているようであるが。もう1つ気になる点は、世界経済は市場化にむかって単線的に進んでいるという印象を与える。1990年代に変化はなかったのか? なお、同種のものとしては『セイヴィング・キャピタリズム』があるが、こちらの方が面白い。もちろん、本書は新書という性格のため制約もあることは確かである。
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