2008年5月12日月曜日

『サブプライム問題の正しい考え方』

倉橋・小林著『サブプライム問題の正しい考え方』を読み終える。「証券化はリスクを分散する金融技術であったが、結果としては分散化したことでリスクの所在と規模が把握しにくくなり、問題を拡散させてしまった」 住宅ローンの証券化市場の優れた紹介。第2章「焦げ付いたサブプライムローン」と第3章「国際金融市場への波及」は、金融技術が進み一般には理解しがたい住宅ローン証券市場の概要およびサブプライムローン問題をやさしく解説。専門家としての力量の高さが伝わってくる。それでも通勤電車の中で読むにはつらいかもしれない。最後の章においては、それまでの冷静な分析とちょっとかわって日本経済の将来を憂う著者たちの熱い思いが伝わる。なぜアメリカのヒスパニックら低所得者層はあんなとんでもない金利の住宅ローンを選択するんだと笑っていたが、3年固定金利なんてものも日本でもはやるんだから笑ってられません。

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