藻谷浩介著
『デフレの正体——経済は「人口の波」で動く』を読む。生産年齢人口の低下が内需の不振を生み出しいると見る。ミソは成長率ではなく、絶対数でみるところにある。団塊の世代(およびそのジュニア)の就業人口の絶対数の変化が消費の不振、内需の停滞を生み出すというのは、かつて吉川洋氏が戦後の高度成長を世帯数の増加で説明したのと似ている。
いずれにせよ、現在の不況が景気循環に起因するものではなく、人口の波という構造的な要因に起因するものだとする論調は面白い。また、統計的な手法を使うこと無く、公表統計を丹念にフォローし、推移をまとめるだけで説得的な議論を展開しているのも参考になる。
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