2007年12月20日木曜日

Moene & Wallerstein, Earning Inequality and Welfare Spending

2003年の論文(ちょっと古い);福祉支出・社会支出を再分配の観点からではなく、保険動機から説明。Meltzer and Richardモデル(市場の所得の不平等が上昇すればする程、再分配政策に対する政治的支持の水準は高まる。低所得の稼働所得者は福祉支出の拡大から、高所得の人々に比べ、得るものが大きく、失うものが小さい。したがって、平均所得に比して有権者の大半が貧しくなればなるほど、福祉支出に対する期待支持はますます拡大するであろう。中位の投票者モデル)への批判

(1)Meltzer and Richardの枠組みを拡張し、社会保険支出の支持に与える不平等のインパクトに関する予測
(2)稼働所得の不平等が福祉支出に与えるインパクトを実証
(3)実証結果:稼働所得の不平等と、GDPのシェアとしての年金、健康保険、家族手当、資産調査政策との間にはほとんど関係がない
(4)実証結果:稼働所得の不平等が相対的に高い国においては福祉政策に対する支出が相対的に低い。不平等が上昇するにつれて低下する支出。

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